はじめに
本記事では、「再エネ海域利用法」によって選定された日本の洋上風力促進区域12エリアについて、CAPEX・OPEX・LCOE・IRRの4指標を用いた独自の収益性評価を行い、総合的に比較しています。全エリアを網羅する全国マップ、星評価による収益性のランク付け、対象エリアごとの詳細記事への導線も用意し、投資家や事業者が直感的に判断できる構成としています。
1. 促進区域プロジェクト全国マップ
マップ中のマーカーをクリックすることで、プロジェクトの概要を確認できます。
2. 促進区域の収益性評価基準
| 評価 | IRR(目安) | LCOE(目安) | 意味合い |
|---|---|---|---|
| ★★★★★ 非常に有望 | ≧6% | ≦20円/kWh | 採算性・コスト両面で優良。現行条件でも商業化が十分可能。 |
| ★★★★ 有望 | 5〜6% | 20〜22円/kWh | 投資価値は高く、開発条件(港湾距離・送電距離等)次第で採算可能。 |
| ★★★ 普通 | 4〜5% | 22〜23.5円/kWh | 採算ラインに近く、コスト削減・制度支援が必要。 |
| ★★ 厳しい | 3〜4% | 23.5〜25円/kWh | 採算性がやや低く、補助金・制度的後押しが前提。 |
| ★ 不採算 | <3% | >25円/kWh | 現行条件では採算困難。大幅なコスト低減・技術革新が必要。 |

3. 促進区域の収益性評価まとめ(12区域)
| 海域 | 発電容量 | 収益性スコア(★1–5) | 総合評価 | 詳細 |
|---|---|---|---|---|
| 長崎県五島市沖 (浮体式) | 16.8MW | ★~★★ | D~Cランク | 記事へ |
| 秋田県能代・三種・男鹿沖 | 494MW | ★★ | Cランク | 記事へ |
| 秋田県由利本荘沖 | 845MW | ★★★ | Bランク | 記事へ |
| 千葉県銚子沖 | 403MW | ★★ | Cランク | 記事へ |
| 秋田県八峰町・能代市沖 | 375MW | ★★★ | Bランク | 記事へ |
| 秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖 | 315MW | ★★ | Cランク | 記事へ |
| 新潟県村上市・胎内市沖 | 684MW | ★ | Dランク | 記事へ |
| 長崎県西海市江島沖 | 420MW | ★★★ | Bランク | 記事へ |
| 青森県つがる沖 | 615MW | ★★★★ | Aランク | 記事へ |
| 山形県遊佐沖 | 450MW | ★★★ | Bランク | 記事へ |
| 北海道松前沖 | 約315~320MW | ★★★★ | Aランク | 記事へ |
| 北海道檜山沖 | 約910~1140MW | ★★★★ | Aランク | 記事へ |
まとめ
本記事では、日本の洋上風力促進区域12エリアについて、CAPEX・OPEX・LCOE・IRRを基に収益性を比較しました。区域ごとにコスト構造や採算性には明確な差があり、特に北海道エリアは高い潜在力を示しています。
ただし、本稿で提示した数値は代表的条件に基づく試算であり、実際の事業化にあたっては詳細な環境条件や入札制度の動向を踏まえた検討が必要です。
各エリアの詳細な分析は個別記事で紹介していますので、より深く知りたい方はぜひご覧ください。DeepWindは今後も、日本の洋上風力に関する投資判断や事業開発に役立つ分析を継続して発信していきます。
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