はじめに
本記事では、「再エネ海域利用法」によって選定された日本の洋上風力促進区域12エリアについて、CAPEX・OPEX・LCOE・IRRの4指標を用いた独自の収益性評価を行い、総合的に比較しています。全エリアを網羅する全国マップ、星評価による収益性のランク付け、対象エリアごとの詳細記事への導線も用意し、投資家や事業者が直感的に判断できる構成としています。
1. 促進区域プロジェクト全国マップ
マップ中のマーカーをクリックすることで、プロジェクトの概要を確認できます。
2. 促進区域の収益性評価基準
評価 | IRR(目安) | LCOE(目安) | 意味合い |
---|---|---|---|
★★★★★ 非常に有望 | ≧ 9.5% | ≦ 15 円/kWh | 投資採算性も発電効率も極めて良好。優先的に注目すべき区域 |
★★★★ 有望 | 8〜9.5% | 15〜17 円/kWh | 投資価値は高く、他要因(港湾・送電)次第で採算十分可能 |
★★★ 普通 | 6.5〜8% | 17〜19 円/kWh | 条件次第で可能性あり。コスト削減や支援策が鍵 |
★★ 厳しい | 5〜6.5% | 19〜22 円/kWh | 採算性がやや低く、技術的・制度的支援が前提 |
★ 不採算 | < 5% | > 22 円/kWh | 現状では難しい。抜本的な制度支援か技術革新が必要 |
3. 促進区域の収益性評価まとめ(12区域)
海域 | 発電容量 | 収益性スコア(★1–5) | 総合評価 | 詳細 |
---|---|---|---|---|
長崎県五島市沖 (浮体式) | 16.8MW | ★★★★ | Aランク | 記事へ |
秋田県能代・三種・男鹿沖 | 494MW | ★★★ | Bランク | 記事へ |
秋田県由利本荘沖 | 845MW | ★★★ | Bランク | 記事へ |
千葉県銚子沖 | 403MW | ★★★ | Bランク | 記事へ |
秋田県八峰町・能代市沖 | 375MW | 近日公開予定 | 近日公開予定 | 近日公開予定 |
秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖 | 315MW | 近日公開予定 | 近日公開予定 | 近日公開予定 |
新潟県村上市・胎内市沖 | 684MW | 近日公開予定 | 近日公開予定 | 近日公開予定 |
長崎県西海市江島沖 | 420MW | 近日公開予定 | 近日公開予定 | 近日公開予定 |
山形県遊佐沖 | 450MW | 近日公開予定 | 近日公開予定 | 近日公開予定 |
青森県つがる沖 | 615MW | 近日公開予定 | 近日公開予定 | 近日公開予定 |
北海道檜山沖 | 約910~1140MW | ★★★★★ | Sランク | 記事へ |
北海道松前沖 | 約315~320MW | ★★★★★ | Sランク | 記事へ |
まとめ
本記事では、日本の洋上風力促進区域12エリアについて、CAPEX・OPEX・LCOE・IRRを基に収益性を比較しました。区域ごとにコスト構造や採算性には明確な差があり、特に北海道エリアは高い潜在力を示しています。
ただし、本稿で提示した数値は代表的条件に基づく試算であり、実際の事業化にあたっては詳細な環境条件や入札制度の動向を踏まえた検討が必要です。
各エリアの詳細な分析は個別記事で紹介していますので、より深く知りたい方はぜひご覧ください。DeepWindは今後も、日本の洋上風力に関する投資判断や事業開発に役立つ分析を継続して発信していきます。
もっと深く知りたい方へ:DeepWindの注目カテゴリーをチェック!
- 🔍市場動向・分析 – 日本の洋上風力市場の最新動向と注目トピックをわかりやすく解説
- 🏛️政策・規制 – 法制度、促進区域、入札制度など、日本の政策枠組みを詳しく解説
- 🌊プロジェクト – 日本国内の洋上風力プロジェクト事例をエリア別に紹介
- 🛠️テクノロジー&イノベーション – 日本で導入が進む最新の洋上風力技術とその開発動向を紹介
- 💡コスト分析 – 洋上風力のLCOEやコスト構造を日本の実情に基づいて詳しく解説