DeepWind Weeklyは、日本の洋上風力発電に関する注目ニュースを毎週お届けするニュースダイジェストです。
本記事では、2025年8月に発表された主要トピックを週ごとに振り返ります。
2025年8月第1週
北海道・松前沖/檜山沖が「促進区域」に新規指定
再エネ海域利用法の下で、松前沖と檜山沖が新たに促進区域に指定されました。これで全国で12件目となり、今後の公募占用指針や事業者選定が注目されます。
JERAとBPが洋上風力事業を統合 – 「JERA Nex bp」が誕生
JERAとBPが洋上風力事業を統合し、新会社「JERA Nex bp」を設立。総開発規模は1,300万kWに達し、国内外での展開力が強化されます。
政策動向 – 第7次エネルギー基本計画の議論が本格化
政府は第7次エネルギー基本計画に向けた議論を開始。洋上風力を含む再生可能エネルギーの主力電源化が再確認されました。
👉 詳細はこちら:DeepWind Weekly 2025年8月第1週
2025年8月第2週
浮体式洋上風力産業ビジョン(第2次)を公表
経済産業省が「浮体式洋上風力産業ビジョン(第2次)」を発表。2040年までに浮体式15GWの案件形成、国内調達比率65%以上を目標に掲げました。
大成建設が東洋建設を買収 – 洋上風力工事で連携強化
大成建設は約1,600億円で東洋建設を完全子会社化。陸上・海洋工事の融合により、洋上風力やCNP案件でのシナジー創出を狙います。
入善沖でブルーカーボン実証 – 清水建設が藻場造成を開始
富山県入善町沖の洋上風車基礎で海藻を植え付ける実証実験を清水建設が実施。藻場造成によりCO₂吸収・生物多様性保全・基礎周辺の浸食防止効果が期待されます。
👉 詳細はこちら:DeepWind Weekly 2025年8月第2週
2025年8月第3週
鹿島、三菱商事連合を離脱 – 建設コスト高騰で採算悪化
千葉県などで進行中の洋上風力プロジェクトにて、鹿島建設が三菱商事主導の連合から脱退。建設費の高騰による費用分担の調整がつかず、事業の進行に影響が懸念されます。
欧州浮体式大手Ocean Winds、日本参入に意欲 – 実績重視の制度訴求
政府が2040年までに浮体式15GWを目標とする方針を示す中、Ocean WindsのCEOが日本市場参入への意欲を表明。「運転実績を評価する選定制度の導入が必要」と訴えました。
浮体式風車が魚を誘引? 環境DNAで集魚効果を確認 – 長崎大学の研究
長崎大学の研究チームは、五島市沖の浮体式風車近傍でマアジのDNAが多く検出されることを確認。環境DNA解析により、浮体式設備に魚類が集まる可能性が示されました。
👉 詳細はこちら:DeepWind Weekly 2025年8月第3週
2025年8月第4週
三菱商事連合、国内3海域の洋上風力から撤退
三菱商事を中心とするコンソーシアムは、秋田県能代・三種・男鹿沖、秋田県由利本荘沖、千葉県銚子沖の3海域から撤退する方針を発表しました。
長崎・五島で新たな浮体式設置方式の実証
五島市沖で、陸上で組み立てた風車を大型台船で沖合に運び、土台にはめ込む新方式の実証試験が公開されました。
MODEC、TLP方式浮体で設計承認取得
三井海洋開発(MODEC)は、TLP(緊張係留)方式の浮体式洋上風力「iTLP2-FOWT」で米国船級協会(ABS)からAiP(基本設計承認)を取得しました。
👉 詳細はこちら:DeepWind Weekly 2025年8月第4週
今月のまとめ(This Month’s Takeaway)
- 政策:浮体式導入目標(2040年15GW)が具体化、EEZ開発が加速へ
- 企業:三菱商事連合、国内3海域の洋上風力から撤退
- 技術:三井海洋開発(MODEC)がTLP方式浮体で設計承認取得
まとめ:2025年8月は、日本の洋上風力市場が「政策の具体化」「企業の撤退」「浮体の設計承認」という3つの軸で大きく動いた月でした。
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- 🔍市場動向・分析 – 日本の洋上風力市場の最新動向と注目トピックをわかりやすく解説
- 🏛️政策・規制 – 法制度、促進区域、入札制度など、日本の政策枠組みを詳しく解説
- 🌊プロジェクト – 日本国内の洋上風力プロジェクト事例をエリア別に紹介
- 🛠️テクノロジー&イノベーション – 日本で導入が進む最新の洋上風力技術とその開発動向を紹介
- 💡コスト分析 – 洋上風力のLCOEやコスト構造を日本の実情に基づいて詳しく解説